樹木希林「一切なりゆき」/文春新書


一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

2018年9月15日にお亡くなりになった樹木希林さんが生前に
インタビューで残した言葉をまとめた「名言集」ともいえるエッセイです。

樹木さんがお話されていたままが記されているので読みやすいです。
文庫サイズで、2~3時間くらいあれば読み切れます。

「生きること」「家族のこと」「病のこと、カラダのこと」
「仕事のこと」「女のこと、男のこと」「出演作品のこと」
計6つのパートに分かれて樹木さんの言葉が紹介されています。

樹木希林さんってどんな人?

様々な人たちから名女優と呼ばれる樹木さん。
映画やCM、バラエティ番組など多方面で活躍されていました。
樹木さんとはどういう人だったのでしょう。

樹木さんはミニマリスト?

下着は友達の旦那さんが使わなかったもの、
洋服も自分で買ったものはほとんどなくて
お古を譲ってもらってリメイク……

靴も長靴を含めて3足まで……

あまりものを買わない、必要以上に持たない樹木さん。
「モノがあるとモノに追いかけられます」

ミニマリストだったようですね。

「モノを持たないと頭がすっきりして、
片付けをする時間もあっという間」
だそうです。

ものをあまり持たないうえに、
仕事ではマネージャーさんを雇わず、
自宅のFAXと留守電を活用してお仕事を受けていたそうです。

 

樹木さんはケチだった?

「もともとケチだということもありますけど、
一度使い始めたら、それをできるかぎり活かして、
最後まで使い切って終了させたいんです」

生前そうおっしゃっていた樹木さん。
なんと家を建てる時のお祓いも自分でやったそうです。

その土地にはお稲荷さんと井戸があったそうで、
美輪明宏さんが「あなた、そんなところに住んだら死ぬわよ」
と、心配して、井戸の気を抜けるという僧侶を紹介しようとしたそうです。

高名な僧侶ならお礼も相当だろうな……と、考えた樹木さん。
どうやらケチセンサーが反応したようです。
別の人のアドバイスもあり、
「自分で拝んだ方がいいよね」と、それ以来読経が習慣になったそうです。

目に見えない世界のことも恐れず、立ち向かう樹木さん。
無敵です。

 

樹木さんは旦那様よりロックな人?

そんな無敵な樹木さん、ロックミュージシャンの内田裕也さんの妻でもあります。
内田さんは樹木さんのあとを追うように先日(2019年3月17日)お亡くなりになっています。

お二人の結婚生活は40年以上にわたる別居婚で知られています。

1980年代に内田さんが樹木さんに無断で離婚届けを出して裁判になり、
樹木さんの訴えが通って離婚は無効となったそうです。

樹木さんが体調を崩したのを機にお二人は定期的に会うようになったそうですが、
内田さんは「あの時離婚しなくてよかったなぁ」と、
おっしゃったそうです。

夫婦に限らず友達もそうかもしれませんが、
長い時間の中でお互いの関係性や付き合い方が変わっていくというのは
よくあることのように思います。

内田さんはトラブルを起こして逮捕されるなど、
たびたび世間を騒がせることがありましたが、
そのたびに樹木さんは毅然とした態度で会見をなさったり
発言をなさっていたりします。

一見すると樹木さんの方がまとものように見えますが、
実はそうではなかったそう。

毒をばらまいて評判が悪かったという樹木さん。
樹木さんの悪口を聞いた内田さんは体を張ってケンカをするそうで、
「俺はお前をフォローするんでくたびれはてる」
と、言われたことがあるそうです。

映画で共演したYOUさんには
「なぁんだ、裕也さんがヘンだと思っていたら、お母さんの方がずっとヘンだった」
と、言われたそうです。

 

「一切なりゆき」を読んで

樹木さんの発言を振り返ると、随所に「責任」というキーワードが出てきます。

「自分がやったことに最後まで責任を持て」という発言に代表されるように
とても責任感の強い人柄だったものと思われます。

「責任」という言葉がわかりやすく入っていない発言の中にも
「責任」を感じさせる発言がたくさんあります。

「CMの契約期間中は、その会社の人間だと思っています」
「テレビは演じたものが瞬時に消えていくから好きだったんです」
という言葉は、樹木さんの責任感の強さゆえの発言でしょうね。

家族や仕事仲間に対しても責任を持って接していたように思われます。

「謝罪をしておかないと死ねない」と、おっしゃっていた樹木さん。

自身が責任感の強い性格だからこそ、
無責任な発言や態度をする人に対しては黙っていられなかったのかもしれませんね。

樹木希林さんが同じ時間を今生きていないんだと思うととても寂しいのですが、
この本には樹木さんの人柄に触れる言葉がたくさんおさめられているので、
樹木さんに会いたくなったらこの本を開きたいと思います。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書) [ 樹木希林 ]
価格:880円(税込、送料無料) (2019/11/9時点)