ある日Yahooニュースに1つの小説が紹介されていました。
その小説は「夜間飛行」。
北迫薫さんのデビュー作だそうです。
夜間飛行/北迫薫・著
表紙の女性は物語の主人公で、
銀座の伝説の女給・光です。
登場人物
この小説の主人公は誰なのか。
物語を読み終わってこたえに困りました。
というのも、物語の中心人物である
裕子(銀座では光という源氏名)のほかに
九州にいる裕子の姪・梢の視点で書かれたシーンがあり、
1つの章の中で舞台と視点が行ったり来たりするような
箇所がいくつかあるからです。
舞台と視点が小刻みに変わることで
緊迫感を覚えました。
夜間飛行の舞台
夜間飛行の舞台は大まかに2つあり、
九州と東京に分かれています。
裕子がなぜ九州を飛び出したのか、
光という名で東京・銀座にたどり着くまでに何があったのか。
その部分が物語の中心にあります。
途中、主人公の逃亡先として関西のある町、
あとで奈良とわかる場所での出来事も書かれています。
感想
正直なことを言うと、
読んでいてしんどい気分になる箇所がいくつかありました。
九州で裕子が夫から暴力を受けるシーンや、
その後の、裕子の夫が裕子の実家に嫌がらせをするシーンは
息が止まってしまいそうになりました。
しんどい気分になった理由はもう1つあります。
裕子と梢に、私の叔母と私が
重なってしまったからです。
私の叔母も銀座ではないものの、
若くして駆け落ちして夫婦で飲み屋を開き、
それから間もなく危ない目に遭っていること、
実家の様子が小説で書かれていた裕子や梢の実家に似ている
という点が重なって、
裕子と梢に私の叔母と私がだぶってしまったのだと思います。
まとめ
この小説の面白いところは会話がいきいきしていることと、
当時の様子が鮮やかに描かれていること。
その時代のことをわからない私も
物語の世界にあっという間に引き込まれてしまいました。
初めて書かれた小説だということなのですが、
とてもそう思えませんでした。
著者の北迫さんの次の作品が楽しみです。
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